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楠末葉軍談 3巻

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解題/抄録

書誌の解題/抄録
青本(改装)3冊(合1冊)、題簽「楠末葉軍談(くすのきは(ば)つようぐんだん) 上」、題簽全揃は岩崎文庫本(黒本)にあり。題簽により未年(宝暦13年[1763])の鶴屋版。和祥作。柱題「楠ば(は)つよう くすのきはつ葉 くすのき末葉」。残存状況は黒本青本の中で抜きん出て多く、今のところ国内だけで8部知られている。
(内容)慶安太平記もの。
(上)足利義政の時代、河内国赤坂の五井に駿河屋正介という紺屋があり、女房お由井は手間取たちと張物する。正介の転寝の夢に楠正成が来て「お前は楠七代の孫だ。この里の鎮守浅間の宮の松の根方に菊水の旗を埋めたので掘ってみよ」と言われ、その通りなので楠正成末葉と知り、都へ行く。兵法指南吉岡憲法が夜道で盗賊に囲まれ切り倒した所へ正介は桶に水を汲んできて憲法の刀の血を拭い、家来となる。門弟頭の名和無理衛門が憲法の娘おせつと、師匠の奥儀・孔明八陣の秘書を所望する。吉岡は秘書を伝授すべき弟子も、娘と娶すべき婿も見当たらぬと言う。おせつは正介に惚れる。無理衛門は意趣晴らしに憲法の寝込みに忍び入って刺し殺し、秘書を盗んで逃げる。正介は無理衛門を難なく取り押さえ、おせつに親の仇を討たせる。正介は逃げた門弟土子五郎介、品淵官平を捕らえて命を助けて家来とし、都を出ようとする。おせつも同行を切望するが、「故郷に妻がある」とつれなく突き放し、おせつは「生きて居られぬ」と自害する。正介は図らずも八陣の秘書を手に入れ、五井の正察と改名し鎌倉へ赴く。
(中)片瀬に住む信濃源氏の末葉で浪人の懸橋忠和は、軒端に蜘蛛が巣を張ったのを見て天下掌握の野望を起こす。土子五郎介は正察からの書状を持って河内へ飛脚に来る。すぐに土子と鎌倉へ来るようにとの文面に、女房お由井は喜ぶ。五井の正察は鎌倉で剣術の指南に事寄せ、器量ある人を集め、味方にして天下を掌握せんと工む。山名半兵衛が正察と忠和を引合わせる。正察と忠和は碁に託して互いの心を知り、同士となる。細川修理之介は鶴岡八幡宮で、笠を脱がない忠和を「只者でない」と見覚え、彼に怒る家来たちを制して通る。正察と忠和は夜更けに柏が峠へ徒党357人を集め、「名を重んじ命を全うせよ。成就すれば軍功により国主・城主に任ずる」と戦いの規範を教える。懸橋は鎗屋藤九郎に軍用金500両借りる。
(下)鎗屋藤九郎は忠和の家で正察からの密書を拾って様子を知り、すぐに鎌倉決断所へ注進する。細川修理之介は藤九郎を褒め、落着までは牢舎とする。女房、名主、家主は大騒ぎで嘆願に赴く。正察は雲気を判断して、一大事が漏れたことを知る。「軍用金を持たせた使者は一大事を知っている。すぐ切り捨てよ」と、忠和の密書にあり、お由井は使者を騙し討ちにする。翌る夜子の刻、細川修理之介を討手の大将として忠和夫婦の寝込みへ押し寄せ、忠和は寝間着のまま踊り出て数十人を投げ付け踏み付けて、潔く細川の縄に掛かる。女房お千は、謀叛徒党の連判状を火鉢で燃やし、同じく縛される。正察は「死後の面目」と討手の来ぬ間に切腹し、お由井、五郎介、官平も潔く自害する。正察は討手の裏を掻こうと、竜吐水に毒水を仕掛けて置いた。孔明八陣の秘書5ヶ条の計事である。正察方へは仁木弾正左衛門が百騎で向かい、小門を打破ろうとすると屋根から竜吐水の毒水が降り、大勢がこれに当たって悶え死んだ。細川修理之介は謀叛人を召捕った褒美として天下の管領職を仰付けられ、鎗屋藤九郎は多くの白銀と桐ヶ谷に15町の屋敷を拝領した。(木村八重子)(2018.1)
(紹介)『日本古典文学大事典』に立項(執筆=木村)、『新日本古典文学大系83 草双紙集』に収録(底本は狩野文庫本、影印・翻刻・注、担当=木村)

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