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情緒研究法についての実験的考察 : 羞恥感を手がかりとして

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解題/抄録

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羞恥感を生起せしめる具体的場面について,行動観察を主とした実験的方法と予料的調査方法との結果を比較考察し,さらにこれらの結果の照合により,かような情緒研究に際してこれら研究法の意義と特徴とについて次のような結果を得た。1)「みんなの前で録音した自分の声をはじめて聞く」場面で羞恥感を抱くものは小学2年で約半数あり,学年が進むにつれて増加の傾向を示す。かような場面で我々成人がみて羞恥の身体的反応と見做したγ行動を示すものは学年とともに著しい増加の傾向を示し,他のいくつかの際立った行動型は低学年では一様に生起しており,学年とともにそれぞれ増減の傾向を示し,行動特徴が発達的に明確化してくる。2)γ行動(うつ向く,顔を覆う,うつ伏す)を羞恥感の身体的表現行動と見做した場合に,現実的羞恥体験、とγ行動とが一致してくるのは中学2年頃からであってそれも女子は男子より早い。3)上述の実験場面を場面構成調査により感情と行動反応とに予料せしめ,この予料的調査結果を実験結果の羞恥反応,γ行動,羞恥とγ行動との一致,のそれぞれに比較すると,どの比較においても現実的反応率よりも予料的反応率が著しく低い。これらの結果からかような情緒についての予料的調査結果はあくまでその集団の一般的反応傾向の表示にすぎず,その情緒の現実的生起の様相に関しては殆んど意味を有しないことがわかる。情緒は構え,態度,客観的場面に基づく複雑な力動的過程であるから,この本質的解明にはあくまで実験的研究法が中心となるべきであろう。

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