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婦人科疾患と関係のある腫瘍マーカー値の妊娠, 分娩および産褥における変動について

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解題/抄録

書誌の解題/抄録
近年, 各種の腫瘍マーカーが臨床応用されている. その多くは, 悪性腫瘍に対する腫瘍特異抗原ではなく, 正常時あるいは良性疾患, 炎症, 妊娠時においても血中に証明される腫瘍関連抗原である. 今回われわれは, 妊娠・分娩が血清腫瘍マーカー値に与える影響について調査する目的で, 正常妊婦を対象に8種類の腫瘍マーカー(CA125, TPA, SCC, AFP, ハプトグロビン, フェリチン, CA19-9, CEA)を経時的に測定し, 妊娠・分娩・産褥に伴う各腫瘍マーカー値の推移を検討した. 21〜33歳(平均年齢28歳)の正常妊産褥婦17例を対象とした. 妊娠中は妊娠初期より2〜4週ごとに測定し, さらに分娩I期, 分娩後2時間, 産褥5日, および産後1カ月に測定を行った. 1)血清CA125は妊娠前期に高値を示し, その後は有意(p<0.01)に低下した. 分娩I期に比べ分娩後2時間には有意(p<0.01)の上昇がみられた. 2)TPAは妊娠中漸減し, 妊娠末期に軽度上昇した. 妊娠中期は, 妊娠初期に比ベ有意(p<0.05)に低下した. また分娩I期に高値を示したが分娩後2時間には有意(p<0.01)に低下した. 3)SCCは妊娠の進行と共に低下したが, 分娩後2時間に有意(p<0.01)の上昇がみられた. 4)AFPは妊娠経過と共に増加し, 妊娠9カ月において最高値となり, その後は減少した. 5)ハプトグロビンは, 妊娠5カ月頃より減少し, 妊娠中期(p<0.05)・後期(p<0.01)で有意に減少した. 分娩前後では変化がなく, 産後は増加傾向がみられた. 6)フェリチンは妊娠経過と共に減少し, 妊娠前期と比べ, 妊娠中期, 妊娠後期には有意(p<0.01)に減少した. 7) CA19-9とCEAでは妊娠・分娩との間には一定の傾向は認められなかった. 本研究により, 各種血清腫瘍マーカーの妊娠, 分娩, および産褥に伴う同一婦人における変動を明らかにすることができた. 妊産褥婦に合併する各種の腫瘍性病変の良性・悪性を判断するうえで, また, 悪性疾患治療後の妊産褥婦の経過観察のうえで, この成績は補助的診断の一助になると思われる.

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