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習慣流産免疫療法前後の母体免疫能の変動

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解題/抄録

書誌の解題/抄録
近年習慣流産患者にいわゆる免疫療法が行なわれ, 著明な効果をあげているが, その作用機序は完全には解明されていない. 本研究では胎児を一種のsemi-allograftとみなし, 免疫治療により, 移植免疫におけるいわゆる生着反応と同様の機序が働くと考えてその特異的免疫抑制機構について解析した. 当院不育症外来に通院する反復流産患者に対して諸検査を施行し, 免疫学的流産と思われる患者に対して夫リンパ球による免疫治療を行ない, その前後のMLC, T細胞サブセット, 抗イディオタイプ抗体の変化を調べたところ, 以下の成績を得た. 1. 免疫治療前後のMLC変動を40組について調べたところ, 著明な抑制がみられ(p<0.001), その平均抑制率は50.5±25.6%(mean±SD)であった. また, 14組について第三者のリンパ球をstimulatorとした系をつくり, 検討したところ夫をstimulatorとした場合が平均61.2±23.7%の抑制率であったのに対し, 第三者では34.9±42.5%と有意に(p<0.05)低かった. 2. T細胞サブセットの変化を19症例について調べたところ, suppressor T細胞は有意に(p<0.01)増加し, cytotoxic T細胞は有意に(p<0.05)減少した. helper T細胞とinducer T細胞は, 有意な変化は認められなかった. 3. 抗イディオタイプ抗体については, フローサイトメーターを用いた二重染色法により, 約5%の夫リンパ球に刺激された妻リンパ芽球に自己抗体の結合が認められ, 免疫療法後妻血清中に抗イディオタイプ抗体が存在することが示唆された. 以上の結果により, 免疫療法により, 液性免疫についても細胞性免疫についても免疫抑制機構が働くことが示された.

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