国立国会図書館デジタルコレクション

トップへ このデータベースについて ヘルプ

アンドレーエフにおける女性像 : 妻アレクサンドラとの関係から

情報
縮小
拡大
縦横合せ
横合せ
左回転
右回転
概観図
URL表示
画質調整
その他
全画面
操作方法

解題/抄録

書誌の解題/抄録
アンドレーエフの最後の作品『悪魔の日記』には,「まさにマドンナ」と形容される女性が登場する。彼女は「大いなる平安」を与える存在であるが,アンドレーエフの初期作品では,一貫して性的対象という側面からのみ女性が描かれていることを考えると両者問の差異は大きい。また,あらゆる事象に対して懐疑的で,普遍的,絶対的と思われるものには常に否定的見解を示したアンドレーエフが,こと女性という存在に関しては例外的にそのような結論を下していないが,このことはアンドレーエフにとって女性という存在が重要な要素でありうることを示している。本報告ではまず,アンドレーエフの描く女性像になぜ大きな変化が見られるのかを考える上で,その転換点の作品として『獣の呪い』(1907年)を捉え,これに前後する時期に書かれた『人の一生』『黒い仮面』『イスカリオテのユダ』などの作品とともに,そこに登場する女性がどのように描かれているのかを例示した。すなわち,各主人公たちはそれぞれが何ものかによる大きな喪失を経験したのちに,「偉大なる輝かしい神秘」と規定されるそれぞれの恋人,あるいは妻のもとへ最後の救いを求めるという同一のモチーフを繰り返しているのであり,その女性たちは,それまでのアンドレーエフの物語の中には描かれることのなかった,主人公を「悪と死から護」り「美と生命を造り出す」女性として描かれていた。続いて,そのような変化がこの時期に起こったことの要因として,アンドレーエフと彼の最初の妻アレクサンドラとの関係に注目し,特に1906年11月のアレクサンドラの死による影響を考えた。「情熱的な愛人であると同時に母の愛をもって愛しうる」女性であり,その創作活動自体にも大きく関与していた妻の死がアンドレーエフにいかなる衝撃をもたらしたかを示す資料は多い。白昼夢にまで亡き妻の姿を追い続けるというのは,極めて病的な当時のアンドレーエフの精神状況を語る資料のひとつであるが,のちに再婚しながらも公然と亡きアレクサンドラへの思慕を口にしていたこと,『獣の呪い』『人の一生』のいずれもが彼女への献辞を伴い,さらに1909年に発表された『人の一生』の第5幕のバリアントにはその死という現実が如実に反映していることなども含めて考え,本報告では,「偉大なる輝かしい神秘」として突如この時期に登場し始める女性たちが,他でもない失われた妻アレクサンドラの投影であることを想像するには難くないとした。またこの時期以降女性たちがにわかに神的な要素を帯び,最終的に『悪魔の日記』のマドンナへと展開していったのは,彼女へのアンドレーエフの思慕の強さ,そして同時にその喪失があまりにも早い時期に訪れたがための帰結であろうとし,その分析に関しては以降中後期の作品における女性像の展開と共に今後の課題とした。

目次・巻号

ロシア語ロシア文学研究の書誌情報

簡易表示

詳細表示

ロシア語ロシア文学研究. 34の書誌情報

簡易表示

詳細表示

書誌情報

簡易表示

詳細表示

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10925075/1

No. 名称 ファイル名 サイズ
1 ART0001625331.pdf 147226 bytes
機能マウス操作キーボード操作
コマ送りの向きを反転するコマ送り方向反転ボタン(右向き) コマ送り方向反転ボタン(左向き)
次のコマに進む上の表示がコマ送り方向反転ボタン(右向き)のとき:ビューア部右端をクリック
上の表示がコマ送り方向反転ボタン(左向き)のとき:ビューア部左端をクリック
上の表示がコマ送り方向反転ボタン(右向き)のとき:→
上の表示がコマ送り方向反転ボタン(左向き)のとき:←
前のコマに戻る上の表示がコマ送り方向反転ボタン(右向き)のとき:ビューア部左端をクリック
上の表示がコマ送り方向反転ボタン(左向き)のとき:ビューア部右端をクリック
上の表示がコマ送り方向反転ボタン(右向き)のとき:←
上の表示がコマ送り方向反転ボタン(左向き)のとき:→
先頭コマに移動その他ボタンを押してメニューを表示してから先頭ボタンHome
最終コマに移動その他ボタンを押してメニューを表示してから最終ボタンEnd
コマ数指定移動[コマ番号]からコマ数を選択
画像を拡大ホイールを上に回す
拡大ボタン
画像を縮小ホイールを下に回す
縮小ボタン
画像の表示範囲を動かす画像をクリック&ドラッグ
フルスクリーン(ビューア部の拡大)表示フルスクリーンボタンF
フルスクリーン(ビューア部の拡大)解除[フルスクリーン解除]F
画像全体を画面内に収める縦横合わせボタンG
画像の横幅を画面内に収める画面の横幅に合わせて表示するボタンH
左90°回転左90°回転ボタンJ
右90°回転右90°回転ボタンK
サムネイル一覧を表示するサムネイル一覧ボタンT
複数の画像を合成した全体画像を表示する全体画像ボタン
※この機能は古典籍資料の一部資料でのみ使用できます。
表示画像の画質を調整する画質調整ボタン
※このボタンで調整できるのは閲覧画面に表示している画像です。印刷時の画質は印刷調整画面で調整してください。
書誌、目次、解題・翻刻を表示する詳細情報を表示するボタン
書誌、目次、解題・翻刻を閉じる×ボタン
印刷する印刷するボタン*P
JPEG形式で表示JPEG表示ボタンをクリックし倍率を設定
画像を全コマダウンロードする全コマダウンロードボタン
※公開範囲が「インターネット公開(保護期間満了)の資料でのみ利用可能です。
特定コマのURLを表示するその他ボタンをクリックして[URL]ボタンをクリック*U
音声/映像を再生する再生ボタンP
音声/映像を一時停止する一時停止ボタンP
音声/映像を停止する停止ボタンS
音声/映像の表示領域比率を4:3に設定する4:3ボタンW
音声/映像の表示領域比率を16:9に設定する16:9ボタンW
音声/映像を任意の位置から再生するシークバー
※HLS(HTTP Live Streaming)による配信・再生に対応するブラウザ・プレイヤーをお使いの場合はシークバーのドラッグが可能です。
←→
音声を消す(ミュート)ミュートボタンM
音声を消す(ミュート)を解除ミュートボタン(ミュート状態)M
音量を調整する音量スライダー↑↓
再生速度を変更する再生速度変更ボタンU(速くする)
D(遅くする)

*アクセスキーの場合は、表中に「*」をつけています。
  Windows IEでは「ALT」+アクセスキー、Windows FireFoxでは「ALT」+「SHIFT」+アクセスキーのように押して利用します。