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  後の巻号

くまのゝほんち. 上

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解題

くまのゝほんちの解題
 〔寛永末~正保頃(一七世紀前半)〕刊 丹緑本 書名は上巻内題による 版心「ほんち上(中下)」 刊記なし 3巻3冊 全76丁(巻上37丁 巻中16丁 巻下23丁) 大きさ27.4×17.8cm 四針袋綴 改装栗皮色表紙 本文料紙楮 四周単辺 匡郭内約21.3×15.2cm 無界 半葉11行22~24字 平仮名漢字混り 挿絵63図(上巻20図 中巻13図 下巻30図)
 第1冊遊紙に墨書「元禄九丙子年正月廿七日/江州蒲生郡/八幡山仲屋町上/道川弥太郎」 印記なし
 御伽草子「熊野の本地」は「ごすいでん」ともいわれ、熊野権現の由来の物語である。奈良絵本と版本とがあるが、本書は版本に彩色を施した丹緑本である。下巻末には連続18図にわたる挿絵があり、熊野の山々や神社仏閣が朱、緑、黄、紫に彩られ、圧巻である。
 丹緑本とは、墨摺りの絵入版本に、朱(鉛丹)と緑(岩緑青)を主として彩色を施したことからの呼称である。寛永から万治頃にかけて京の書肆で販売されたといわれているが、その起源、制作方法など未詳の点が多い。
 版本『くまのゝほんち』には刊年が記載されないが、当館蔵丹緑本正保3年(1646)刊『曽我物語』(請求記号 寄別13-27)と本の大きさ、版式、書風、画風などが似ていることから、寛永末から正保頃の刊行であろう。掲出本には元禄9(1696)年の墨書があり、印刷時期はそれ以前である。印刷時に彩色されたたと思われる。数回の補修が施されており、そのため朱と緑の色がやや薄れているものの、落丁はなく完全本である。
 この版本『くまのゝほんち』にはさらに版面の摩滅した後刷り本(3巻3冊)があるが、調査した範囲では後刷本の方はみな無彩色である。
 同種本は国内では、天理図書館本、黒船館本、日本民芸館本、上田市立図書館花月文庫本(端本)、国外ではニューヨーク公共図書館のスペンサー・コレクション本が確認される。料紙、摺刷状態、彩色数、筆法、褪色の度合などに大差はなく、同時期に製作されたと考えられる。 

くまのゝほんちの書誌情報

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コンテンツ情報

フィルム番号
12-004

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