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皇都祇園祭礼四條河原之涼

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解題/抄録

書誌の解題/抄録
京都の祇園祭の夜景を描いた「皇都祇園祭禮四條河原之涼」の図は、貞秀の傑作のひとつと言われている。無数の灯りの下、鴨の河原に涼み床を並べ、様々な人々が茶屋や見世物で夏の宵を遊び楽しんでいる。四条大橋の上では祇園の社から御旅所に向かう神輿と、群衆がひしめく。手前には「三條ノ小鍛冶作長刀」と由緒標記を画中に付した疫病邪鬼をはらう長刀鉾や、新月の鉾頭の月鉾が聳えている。背景には比叡山や、大文字の如意ヶ岳をはじめとする東山の連峰が描かれ、南は五条、北は遙か大原の里までパノラマのごとく眼下に広がる。寺院や地名も記されており、都の名所ガイドも兼ねる華やかで賑やかな錦絵である。早期の摺りで、構図、色調ともに優れ、赤い提灯と川面の青、緑の山膚が映え合って美しい。各図の下方に「五雲亭貞秀画」の落款と、「小泉彫兼」あるいは「彫兼」の彫師銘がある。「藤慶」は版元藤岡屋慶次郎の商標印、「未弐改」は安政六年己未歳三月の改印(検印)である。
 貞秀(1807~83?)は、歌川国貞(三代豊国)の門人で、幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師である。文化四年、下総国に生まれた。本名橋本兼次郎。五雲亭、玉蘭斎などとも号した。役者絵や美人画も描いたが、このような鳥瞰図に地図的要素をミックスした細密な錦絵や、外国の風俗を題材としたいわゆる「横浜浮世絵」の名手として知られている。数多くの作品を残すものの、没年をはじめとしてその生涯については未詳の部分が多い。
 おなじ貞秀がほぼ同時期に描いた「東都両国ばし夏景色」、「浪速天満祭」とともに帖装本に仕立てられており、表紙には「三都涼之図」と後人による墨書の題簽が貼付されている。

三都涼之図の書誌情報

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コンテンツ情報

フィルム番号
IPA94

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1310174/2

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