解題/抄録
- 書誌の解題/抄録
- 勝川春潮画の女性風俗絵本。半紙本1冊。序題は「狂歌紅葉の橋序」で、丁付は「七夕」。元来は絵入り狂歌本。江戸・蔦屋重三郎刊。広告「絵本千代秋」。墨摺り。年紀のある本は報告されていないが、寛政2年(1790)頃刊と推定される。絵は見開き7図で、詞書きなどはない。画題は、五色の糸、手習い、遊女、船遊び、中洲の芸者、銭湯に笹竹売り、萩の花摘みで、季節はすべて七夕頃と見られる。最終の萩の花摘み図には、官女と町の娘が併せ描かれる。本集の絵は、鳥居清信風の美人画を得意とした春潮らしく、当世風の女性の容姿をきらびやかに表出する。荻野屋あるし金鶏(奇々羅金鶏)の序に「ことしも例の友かきをかたらひてよみ出し、くさ/\の一巻に余れるを」云々とあり、当時、年々催していた七夕狂歌会の一巻を元に板行に及んだ由をいうが、狂歌は削除されている。(鈴木淳)
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http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2533611/1