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怪談登志男 5巻

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解題/抄録

書誌の解題/抄録
初期(前期)読本([奇談])。慙雪舎素及子著・浩我画カ。寛延3年(1750)刊。5巻5冊(合1冊)。
静観堂(談義本で知られる静観房好阿[じょうかんぼう・こうあ])の序、「好話門人 静話房」の後序に素及子著「怪談実妖録」(原本未詳)から選んでまとめたとする。内容は主に出所(時・所・人)を付記した怪談・奇談で、中に笑話・孝子譚・世相批判なども含まれ、巻5最終話の末尾には「此の篇にしるせし、数々の妖怪(ばけもの)は誠に怪しとするにたらず。…白昼の化けものにこそ油断したまはざれと、慙雪舎の閑窓に筆をなげてやすみぬ。」とある。これは原著者「慙雪舎素及子」の述懐と取れるが、巻3の孝女譚の末尾には「(この話を江戸の佳話として怪談の中に加え、京都にも広めようと)師の房(静観房)が命にまかせ(弟子静話が)篇中に書いれはべれば、素及子の霊も見ゆるし給ふべし。」とあって、本作は、素及子の没後、静観房の意向を受けながら、直接には静話が編集の任にあたったものと考えられる。
書名「登志男(年男)」は、序文に言うように、節分に厄払いの豆まきをする役割を担うところから名づけたもの。江戸書肆の刊。(大高洋司)(2018.2)
(参考文献)太刀川清「宝暦期怪異小説の一動向―心学と怪談―」「近世文学研究」2、1966.6
浅野三平「静観房好阿」『近世中期小説の研究』6、桜楓社、1975.5(初出1971.7)
『日本古典文学大辞典』「怪談登志男」の項、檜谷昭彦執筆、岩波書店、1983.10

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