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秦皮圖説

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解題/抄録

書誌の解題/抄録
前田利保は富山藩主で動植物を好み、同好者の幕臣たちを集めて、「赭鞭会」(しゃべんかい)を結成したことで知られる。「赭鞭会」は、中国古代伝説の帝王神農が草を赤い鞭(赭鞭)で、打って汁を出し、それを嘗めて薬効を判断したとの伝承に基き、「本草」(昔の薬学)を指す。会のメンバーは、前田利保(万香亭) ・浅香直光(青洲) ・飯室庄左衛門(楽圃) ・佐橋[さばせ]兵三郎(四季園) ・設楽[しだら]貞丈(妍芳[けんぽう]) ・田丸六蔵(寒泉・霊槐) ・馬場大輔(資生) ・武蔵孫左衛門(石寿)などの幕臣のほか、薬商の大坂屋四郎兵衛(清雅) ・博物画の名手、関根雲停(雲停)などで、記録には( )内に示した号を用いた。赭鞭会は天保7年(1836)の秋頃に結成され、弘化元年(1844)頃まで存続したらしい。会合の頻度ははっきりしないが、天保8年には8回、同9年には4回の記録が残っている。本資料は天保9年6月26日に利保邸(富山藩邸)で関かれた会の記録で、序文は万香亭。課題は「秦皮」で、それがトネリコおよび近縁種のいずれに相当するか、腊葉(さくよう、押葉)を持ち寄り、和書・漢書・洋書を参考にしながら検討した。参加者は万香亭・寒泉・四季園・楽圃・資生・青洲・東溟(氏名未詳) ・石寿・清雅で、30点の彩色図が残されている。このほかに、当館は『赭鞭会品物論定纂』 (特1-23:天保8年9月8日・同11月7日・同12月9日)、『赭鞭会業品物論定纂』(特1-900 :開催日不明)、『赭鞭会論定纂』(特1 -1797 :同前)も所蔵する。(磯野直秀)

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