解題/抄録
- 書誌の解題/抄録
- 文永9年(1272)、佐渡流罪中の日蓮が門下に書き送ったもの。自分が迫害を蒙るのは法華経弘通の行者であることの証と自覚し、「我日本の柱とならん」等の三大誓願を述べた日蓮の主著の一つ。日蓮の著作の古活字版は元和・寛永年間に40点ほど刊行されているが、これもその一つで、別掲『兄弟抄』(請求記号<WA7-137>)と同種活字を用いる。上巻版心には「御書二」、下巻版心には「御書三」とある。遊び紙に「恵宅日義」、末丁裏に「義天日応」「存長日侍之」(第2冊は「存長日侍」)の墨書がある。部分的に注記を書入れ。実業家・古書収集家高木利太(1871-1933)の旧蔵。