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宗家記録. 1-22, 24, 25, 27

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解題/抄録

書誌の解題/抄録
<「宗家文書」の解題について>
「宗家文書」の解題は、「国立国会図書館「宗家文書」目録」(『参考書誌研究』第76号)の分類ごとに作成されています。以下は、目録分類「6貿易関係記録」の解題です。
年代順目録は、リサーチ・ナビ調べ方案内「国立国会図書館所蔵「宗家文書」」を参照してください。
書誌情報タブ(詳細レコード表示)の「被参照資料(URL)」の項目に関連資料へのリンクがあります。

<解題>
6 倭館改修記録 27冊 [現在25冊に合冊・分冊]

総て江戸藩邸記録で、日朝貿易や資金援助に関する幕府との交渉記録が多い。日朝貿易は、定品・定量貿易である官営貿易(封進・公貿易)に比較して、月6回開催される朝鮮商人との私貿易のほうが多くの利潤を生む。近世中期まで私貿易における輸出品の大半が幕府の発行する通用銀(丁銀)であったことから、貨幣政策や銀輸出抑制策との対立を招き、その獲得をめぐって江戸藩邸での幕府交渉が重ねられ、その内容が記録に書き留められている。また近世後期は貿易不振に陥ったことから、日朝外交への経済的負担を名目に莫大な借銀を幕府から得ている。江戸藩邸は財政難打開のための交渉の窓口ともなっており、その返済状況を記録したものが多い。当館に所蔵される記録のうち、主なものを内容別にとりあげる。
○輸出銀関係
『朝鮮渡銀位御願之通往古銀御免被蒙仰候記録』3冊
宝永期(1700年代)の銀貨悪鋳時代を乗り切るため、慶長期と同位(純度80%)の貿易銀、すなわち人参代往古銀(特鋳銀)輸出に至るまでの幕府勘定奉行荻原重秀との交渉記録。本記録に引き続き、享保9年(1724)までの「引替記録」(3冊)がある。
『交易料銀減少之儀被仰出候付而御願之筋御聞合之記録』1冊
正徳4年(1714)から同5年にかけて、幕府の政治顧問である新井白石と対馬藩の儒者雨森芳洲による朝鮮への銀輸出をめぐる論争を記録したもの。対馬国元と取り交わした「往復之状控」(1冊)があり、国家的見地から銀輸出抑制の立場をとる白石の主張と、朝鮮貿易を生命線とする対馬藩経済の側からの芳洲独自の理論を読み取ることができる。
○輸出銅関係
『朝鮮渡り銅於上方被相調被差渡度与之儀土屋相模守迄被仰上御願之通御指図被仰出候覚書』1冊・『朝鮮渡銅御願記録』3冊
宝永3年(1706)から慶応3年(1867)までの、朝鮮輸出銅の国内調達をめぐる幕府との交渉記録。銀にかわり輸出の主体となった銅は、長崎貿易とも競合するところから、調達量は減額される傾向にあった。このため交渉内容は、常に「貿易不振」「朝鮮国鋳銭」「両国誠信」にかかわる請願運動に集中しており、対馬藩の幕府対策を窺い知ることができる。
○貿易見積帳
『御商売御利潤等覚書』1冊(原題「御商売御利潤幷御鉄物渡幷御代物朝鮮より出高積立之覚書」)
貞享元年(1684)から正徳元年(1711)までの私貿易内容を年次別に記録した単式帳簿。この期間の私貿易は、対馬の貿易商人で構成された元方役に委託されており、記録された輸出入品目・数量・価格・利潤・売掛買掛額などの詳細な数字から、当時の長崎貿易をはるかに凌駕する慶長銀の大量輸出、中国産白糸・絹織物、朝鮮人参の輸入実態を把握できる。
『当時公貿易幷朝鮮御商売御利潤銀凡考之積帳』1冊
弘化元年(1844)・同2年の官営貿易(封進・公貿易)と私貿易の見積帳。対馬藩は安永4年(1775)、「私貿易断絶」を理由に幕府から多額の借銀を受けるが、実際には幕末・明治期まで銅輸出を中心に継続していたことが本記録で分かる。
○借銀関係『金銀座記録』1冊[現在2冊に分冊]
嘉永6年(1853)から安政3年(1856)までの金銀座への借銀返済記録。朝鮮からの金銀逆輸入を条件とする「前貸金」であるため、吹金・砂金・吹銀など実際の納入額が記録されている。表紙に「宿駅幷馬喰町御貸附金共」とあり、内容が宿場助成金・馬喰町貸付金など幕府公金貸付制度にも及ぶ。
近世日朝貿易については田代和生『近世日朝通交貿易史の研究』(創文社、1981年)、同『日朝交易と対馬藩』(創文社、2007年)、幕府拝借銀については鶴田啓「一八世紀後半の幕府・対馬藩関係」(『朝鮮史研究会論文集』23、1986年)を参照。(田代和生)(2017.3)

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