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解題/抄録

書誌の解題/抄録
本資料は紀伊徳川家への献上本らしい大型本である。著者大枝流芳(?-1750頃)は摂津の香道家。17世紀後半には貝類収集が盛んになり、歌仙貝(和歌36首に合わせて選んだ貝36品)の刷物も元禄2年頃から板行されはじめていたが、総合的介類書の刊行は本書が最初である。本書は、刷物『百貝図』『追補貝図』『前歌仙貝図』『後歌仙貝図』を復刻し、153品に注を加える。そのとき、介類を「蚌(ぼう、細長い二枚貝)・蛤(ごう、円形の二枚貝)・螺(巻貝)・無対(アワビ類)・貝類(宝貝)・異形(ウニ・フジツボなど)」の6類に分け、この分類が後世に受け継がれた。『貝尽浦の錦』には上下2冊本と天地人3冊本(後刷)があるが、当館は前者として本資料や特7-73本など、後者としては特7-74本など、いずれも多数を蔵する。なお、写本『貝茂塩草』(特1-2535:寛保元年[1741]序)は本書と内容がよく似るが、どちらかが他方を写したのではなく、同一資料を用いたかららしい。(磯野直秀)

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