解題/抄録
- 書誌の解題/抄録
- 江戸から京までと、京(淀)から長崎・五島までをそれぞれ1巻とした、木版・筆彩の道中絵図。大坂から西は瀬戸内海の航路を描き、博多からは九州北西部も含む。寛文12年晩春刊、西田勝兵衛開板の「東西海陸之図」と類似する旧様式の街道図。刊記はない。貞享5年(元禄元・1688)水損の六江橋が描かれているが、慶長11年廃城の佐和山城など旧情報もとどめる。西田図の上野に対し、本図は浅草寺を始まりとする。また、円型の出島背後には角塔(橋が変形)状のものが見える。絵画的描写で距離や方位の正確さは度外視されている。