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景清一代記

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解題/抄録

書誌の解題/抄録
黒本3冊(合1冊)、画工名なし、題簽欠、柱題「(上)かけきよ (中)かけ清 (下)景きよ」、各冊初丁の商標により丸甚版。刊年未詳。他に有欠の京都府立京都学・歴彩館本あり。
(内容)『壇浦兜軍記』等を利用した景清物。「高野心中」の「お梅粂之介」を「お粂梅之介」に転じ井場を小姓梅之介とするが「お粂」を「お梅」と誤った箇所がある。「くわんてつ」には仮に「丸鉄」の漢字を宛てた。
(上)上総国に蟄居する武士笠松は先妻の子鶴石と後妻の子亀石を将来源氏の良将に仕えさせ家再興を期す。継母の折檻で煙草盆の火入が鶴石の顔に当たり痣となる。父は鶴石を都の弟大日坊方へ上せ、飛龍丸の剱を証拠に叔父甥は対面する。叔父は、昔臥龍丸の剱を添えて一子を捨てたと語る。鶴石は清水寺の弟子になり、稚児らは「痣丸」と嬲(なぶ)る。音羽の瀧の修行も丑刻参りも験なく、自害せんと飛龍丸を抜くと痣が抜けて刃に移る。美少年となった鶴石は清水の丸鉄が男色の契りを迫り無体を働くので縁側から投げ桜の枝で打つ。丸鉄は鶴石と誤って稚児市丸を刺し殺し逐電する。叔父は鶴石を元服させ上総七兵衛景清と改名、武家奉公させる。叔父が丸鉄と挑み合い、景清は誤って叔父を切ったので悪七兵衛と呼ばれる。叔父は臥龍丸を持つ我が子を弟同然にと頼んで死し、景清は叔父の菩提のため高野山を志す。丸鉄は官金を狙って旅の座頭を石で殴り、座頭は景清に「元日向の侍で盲目となり妻に死なれ、子は寺小姓と都の遊女に身を売り勾当の金を残して行方知れず」と語って死ぬ。
(中)景清はこの金を高野山妙音院に納める。当院の草履取り鉄平は還俗した丸鉄で、小姓梅之介を口説いて拒まれ、法印の晴装束を盗み逃げる。預り物を失った梅之介がお粂と差違える所を景清が止め、装束の代金を貸そうと出した財布を見て梅之介は「父の仇」と切り掛ける。景清がその刀を奪い稲塚に刺すと血が流れる。梅之介は景清から父の最期を聞いて仇討の後ろ盾を頼む。景清は鉄平を稲塚から引出し、取押さえて梅之介に討たせる。熱田大明神では宝剣の盗人を景清が夜更けに取って臥せ剣を取り返す。大宮司は景清の身の上を聞き、娘衣笠と娶せ婿舅の契約する。清盛と能登守は御教書を以て景清に侍大将、弟景光に兵船奉行を申し付ける。母は兄弟に対面し喜ぶ。梅之介は井場十蔵と名乗り武家奉公で都に上り、妹阿古屋に巡り会う。景清は出陣の暇乞いに来、阿古屋が引き逢わせた兄は高野山の小姓梅之介だったので驚く。景清は井場が平家に召されるよう計る。壇ノ浦の合戦で景清は三保谷四郎の兜の錣(しころ)を引き千切る。
(下)(平家滅亡後)景清は大仏供養の折頼朝を狙うが畠山重忠に見顕され、鎌倉で本望遂げようと、兜の錣を懐胎の子にと阿古屋に渡す。三保谷は遺恨ある景清を尋ね、傾城羽衣となった女房松ヶ枝に会う。景清は阿古屋を訪れ、六波羅の討手が廓を取巻くので切腹せんと痣丸を抜くと光を放ち、痣のある人相になったので人に紛れ立ち退く。三保谷は景清探索のため男伊達となり、井場は義のため羽衣を盗み証拠に兜の錣を渡そうとする。三保谷が景清と思い討とうとするが羽衣が別人だと止める。岩永左衛門は三保谷の鼻を明かそうと衣笠を捕らえ熱湯で景清の在処を拷問する。阿古屋は衣笠の身替わりに重忠の琴責めに遭う。井場は兜の錣を証拠に「景清」と名告るが重忠は取合わない。由比ヶ浜新御殿普請に、左官四郎蔵は大工や木挽に酒を振舞い、大工を景清と見顕し、三保谷四郎と名乗り切り掛かる。互いに太刀を抜くと双方から運気が立ち飛龍臥龍が現れ、木挽十蔵(井場)が両人を止める。宰領齊田杢大夫(重忠)は両人は兄弟と悟る(叔父が「弟同然に」と言った従弟に当たる)。景清は鎌倉に捕らわれ、諸大名が頼朝に服せと勧めるので牢を破り、警護岩永左衛門の首を引抜き罪を重ねて刑を待つ。頼朝は景清を惜しみ日向に十万町与え源家に仕えよとの御教書を給う。井場は出世し、景清は源氏の恩を謝して眼を刳(えぐ)り盲目となる。頼朝は景清の願いにより都に清水寺、武蔵野に浅草寺を建立する。両寺とも末の世までも目出度く繁昌する。(木村八重子)(2018.1)
(紹介)「『景清一代記』について」(黒石陽子、叢第15号、平成4年)。「赤本・黒本・青本解題集稿(二)」(黒石陽子、叢第22号、平成12年)

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