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堅田の亀

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解題/抄録

書誌の解題/抄録
黒本2冊(合1冊)(下冊欠)。富川房信画、柱題「かたゝのかめ」。東洋文庫(岩崎文庫)に題簽全揃「風/流/新/版/堅田龜善悪物語 上(中・下)」あり。『青本絵外題集』1(貴重本刊行会、1974.7)140頁にも上冊分あり。これらの題簽には波に跳ぶ兎の意匠あり卯年の松村版と判る。他に大東急記念文庫等にも所蔵。
(内容)典拠は、矢田真依子「富川房信における浮世草子利用」(「近世文藝」93、2011.1)に『敵討浮田物語』と指摘あり。
(上)永禄10年(1567年にあたる)堅田浦に両頭の亀出現。将軍義輝が吉田兼なりに占わせ吉と出、元亀と改元。赤松備前義つぐは山名相模と合戦し城を取って居城とする。都白川辺に稲葉外記という飯綱の行者あり、赤松の召しで唐紙の獅子が牡丹に狂う術を見せる。廉直の忠臣島村直さだは相役の浮谷秀つぐを怪しみ、密かに行者を亡き者とする。
(中)浮谷は美女の画像を見せ、踊りを勧め、赤松殿は昼夜淫乱となる。浮谷は更に屏風に揮毫して殿に取り入る。島村は浮谷の引き起こす災を察し、茶に招いて討ち取る。浮谷の所領没収、妻は所払いとなる。
(下、以下、当館本には欠)浮谷の妻子は美作に逃れ、息子秀八は剣術に励む。大百姓娘おろくの癪を救い恋仲となり、押し入った盗賊を切り散らす。秀八は身をやつして島村を狙い本望を遂げ、赤松家へ帰参。おろくと夫婦となり栄える。(木村八重子)

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