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金の長者 3巻

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解題/抄録

書誌の解題/抄録
黒本3冊(合1冊)、富川吟雪画、柱題「金のてうじや」。同内容の大東急記念文庫本に題簽「新/板/名所風俗金王櫻 中」(振り仮名:めいしよぶりこんわうさくら)あり、『青本絵外題集』1(貴重本刊行会、1974.7)176頁には「新/板/名所風俗金王櫻 上」(振り仮名同じ)がある。これが本来の題名。題簽の鶴の丸と意匠の馬により午(安永3[1774])年の鶴屋版。
(内容)渋谷金王の物語とその子孫の長者譚。
(上)待賢門の戦から義朝主従が間野の内海に着くまで。
(中)長田庄司父子が義朝と鎌田正清を謀殺し、義朝の首を清盛へ送る。金王丸は浴衣を取りに行った隙に主人義朝が討たれたので橘七郎と弥七兵衛の首を引抜き、馬で長田父子を追い、やがて義朝公の跡を弔わんと出家し(以上は『平治物語』にあり)故郷へ下り「再び源氏の世とならば名木となれ」と、後に渋谷の金王桜と呼ばれる桜を植える。
(下)遥かに時移り、後光厳院の御宇か、渋谷金王丸の子孫と言い伝える金(こがね)の長者は子なく八幡宮へ祈って玉のような女子を儲け寵愛する。その頃目黒原に行人があり加持して病を平癒させる。銀(しろがね)村の長者の子息銀王丸は目黒不動へ参詣し小柄(こづか)を拾う。銀王丸と金の長者の姫は見初め合い文を通わし深き仲となり二世を契る。行人も姫を恋し死んで思いを通ぜんと川へ身を投げる。銀王丸は姫を伴い館を忍び出る。行人の亡魂が竜の姿で姫に慕い寄り、銀王丸が目黒不動を念じ、拾った小柄を投げると亡魂は消え失せ不動の尊体が現れる。金の長者と銀の長者は一家となり、銀王丸と姫は盃を交わしめでたく栄える。(木村八重子)

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