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獅々大王 2巻

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解題/抄録

書誌の解題/抄録
青本合1冊、画作「甚四」、版元・刊年とも未詳。早稲田大学図書館本も題簽欠。本来の題名は未詳。ただし、『日本小説年表』(『近代日本文学大系』第25巻 国民図書、1929)の明和8年(1771)に載る「神楽獅子初」の可能性が考えられ、そうであれば山本版で『奥州攻二人景政』の奥目録に載り、刊年は明和8年ではなく宝暦13年(1763)か。
(内容)獅子舞の起源譚。
(上)天竺最北の獅子国に、しやうりん王、姫君玉芙蓉、かく将軍、大将呂ようがあり、今を盛りの獅子山麓の牡丹を姫君の願いで見物に御出ある。獅子山麓の摩きんり魔王は、大悪無道の家来二人を連れて牡丹見に出た時、谷に落ちた獅子の子が宙で返るを見て捕まえ引裂き捨て、こちらを目掛けて猛る親獅子も引き裂く。獅子の子らは口惜しいが手向かえぬので、姫君を隠せば父王が摩きんりの仕業と推し仇を取ってくれると気づく。姫は牡丹の美しさに一人眺め歩く。獅子の子は、姫が日本の佐野川市松に比(たぐ)える美しい稚児に変じ姫を拐(かどわ)かし山奥へ連れ行く。父王は「急ぎ摩きんりが城へ押し寄せ姫君を取り返せ」と呂ように命じ、呂ようは范蠡や朝比奈のように門を破り、姫を渡せと迫る。摩きんりは無実と大に怒る。
(下)又の討っ手を命ぜられた、かく将軍は城を火攻めにして摩きんりを刺し殺す。姫の在処は知れず、かく将軍と呂ようが帰る途中、数多の獅子が出て道を遮る。その時大きな獅子が姫を頭に乗せ、その他の獅子が瓔珞(ようらく)を差し掛け送り出して両将軍へ渡し「摩きんりを討ってくださりありがたく姫君をお返し申す」と山へ帰る。父王は姫君に対面し喜び、獅子山の獅子どもが姫君を労(いたわ)った恩返しに獅子祭りをさせ給う。多くの子どもを集め獅子を舞わせ叡覧あり。姫君を隠し、摩きんりを滅ぼしたので日本へは獅子頭、大唐へは尾を送ったとか。呂ようは獅子祭りのことを童に教える。獅子舞とは長寿の枕詞、めでたし。(木村八重子)

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