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山姥物語 2巻

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解題/抄録

書誌の解題/抄録
青本2冊(合1冊)、題簽欠、画作者名欠、柱題「山うば」。題名は後補書外題による。
『日本小説年表』(『近代日本文学大系』第25巻 国民図書、1929)の287頁、青本出版年代未詳部の「〔山うば〕二」が該当するであろう。当館本以外に所在が知られない。式亭三馬旧蔵。 
(内容)近松門左衛門の浄瑠璃「嫗山姥」の草双紙化。人物の描法から西村作品と推定される。各場面の文や会話は読む順序を考え、原作と絵で補わないと筋が通らない。これも西村作品の特色であろう。
(上)源頼光の宿所で若衆姿の渡辺綱が右大将(清原高藤、絵では平正盛)の席札を微塵に踏み砕く。道中の泊まり座敷で、平正盛は仇持ちの物部平太の身柄を右大将に頼み、右大将は「気遣いするな」と請け合う。隣の料理部屋では(下女)小糸は(料理人)喜之助と機嫌直して盃事をする。物部平太は自分を仇と狙う者とも知らず小糸に月代を剃らせ、喜之助に討たれる。夫婦約束した2人は仇を討って立ち退く。綱は仇を討った2人を匿い、平太の首とともに頼光の御前へ連れて行く。喜之助はその太刀を頼光に差し上げ、頼光は「心易く思え、汝の太刀は今後髭切と名付けよう」と宣い、頼光の「光」を賜り、喜之助は碓氷定光となる。正盛が押寄せるが、綱は門を破り散々に追い散らし、定光も働く。正盛と郎党どもは打拉がれ命からがら逃げ行く。(頼光の婚約者)沢潟姫の慰めに、館に呼ばれた煙草屋源七は「昔は色に上り詰め、今は浮世に下り坂田の時行は名を変えて今は煙草屋の源七じや」と小唄の三味線を弾く。八重桐は煙草売り源七は夫坂田時行と知り、よそ乍ら当てこすり、話に擬え夫に恨み言をいう。煙草売り源七は(妹小糸が仇を討ったと知り)切腹し、魂が八重桐の腹へ入る。八重桐は夫の魂が宿って懐妊し、山姥となって力強く敵を追散らし、後に金時を産む。
(下)頼光は綱・定光と共に美濃国能勢の判官方に忍ぶ。判官は様々の切り子灯籠を掲げ頼光を慰める。頼光に御目見得した一子冠者丸は盆祭りで読経する。その背後に、能勢の判官と「頼光の身替わりに」と言い合わせた母が別れを嘆きつつ立ち回る。判官は物陰で合図を待つ。(頼光は落ち延び)追剥ぎの大将熊竹が「御供申し平家を滅ぼして君の天下に」と従う。頼光は卜部末武と名乗らせて伴い、深山で会った山姥を咎め道を問う。山姥は「ここは信州上路の山」と答え庵に伴う。頼光は、庵の奥の間で獣を引裂き悠々と寝入っている山姥の息子金太郎を見「変化の者か」と訝しみ、山姥は「手柄をして名を万天に揚げよ」と金時を頼光に差し上げ、目見得の力試しに熊と角力を取らせる。頼光は喜び主従の盃を差し、末武も金時の力に驚き喜ぶ。定光と綱が君を尋ね来て四天王となる。四天王の手柄初めに頼光は鬼神退治をなさる。金時が鬼神大将を投げ、綱が縄で絡め、四天王が生け捕る。末武は女の化物に大石投げ、化物がどっと笑う。定光駆けつける。悪人高藤と正盛は鬼神と共に退治し、その功名によって院宣が下され、兼冬公の取り成しによって頼光は再び源氏の御世に出給う。(木村八重子)(2016.2)
(紹介)木村八重子「未紹介黒本青本」63(「日本古書通信」第1035号、2015.10)

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