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うすゐの貞光

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解題/抄録

書誌の解題/抄録
黒本2冊(合1冊)、富川房信画、柱題「うすゐの貞光」(第1-4丁)「うすいの貞光」(第5丁)「碓ゐのさたミつ」(第6-10丁)。同内容の東北大学狩野文庫本に題簽「碓氷貞光奉公始 上(下)」あり、「未」と鶴の丸より未年(宝暦13年[1763]と推定)の鶴屋版。
(内容)諫鼓(かんこ)苔深く鳥驚かぬ治世を布いた源頼光は、天延3年(975年にあたる)10月23日の夜の夢に碓氷峠で猪を突き伏せたが四足がなく諏訪明神が四足を給うと見、渡辺綱、卜部季武を召して夢の様子を語り、智勇優れた人を抱えんという。碓氷峠辺の荒太郎貞道は、「先祖は橘氏、諏訪明神の申し子なので良将に仕え家名を興せ」との父の遺訓を忘れず、獣との力業や剣術を試みる。18歳の時諏訪明神に参籠して「頼光の肱臣(こうしん)とならん」との示現を被る。貞道は相模に行き渡海の舟に便船し上総に着く。疲れて道の真中に眠り頼光の目に止まる。渡辺綱が後に残って試みに剣術優れた者に捕らえさせると、貞道は目覚めて人々を投げ散らし渡辺に摑み掛かったので、頼光の家臣となり、光の一字を頂き貞道を貞光と改める。頼光は貞光に続いて坂田金太郎を得、綱、季武、貞光、金時を須弥の四周に擬して君補翼の四天王と称した。『前太平記』巻第16の後半に拠る。(木村八重子)

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