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妊婦運動における母体および臍帯動脈の超音波血流速度計測の意義

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解題/抄録

書誌の解題/抄録
妊婦運動中の胎児の安全性確認のため, 運動により生じる妊婦および臍帯の血行動態変化を超音波パルスドプラによる動脈血流速度波形解析によって検討した. 対象は妊娠34週から40週までのボランティア妊婦21例で, 一定の運動強度のエアロビクスを20分間行った. 妊婦大腿動脈(FA), 外頚動脈(CA), 子宮動脈(UA), 臍帯動脈(Umb A)における血流速度を運動前後で計測し, 以下の結果を得た. (1) 妊婦脈拍数は, 運動前83.4±2.1bpmから運動開始後5分で134.4±3.1bpmまで上昇した(Mean±S.E.,p<0.001). 頻脈は運動中持続し, 今回の運動強度は68.8±1.1%最大心拍数であった. (2) 運動前の血圧は収縮期120.5±2.4mmHg, 拡張期80.0±5.6mmHgで, 運動開始後5分でそれぞれ136.5±4.5mmHg,103.1±5.2mmHgへと上昇した(p<0.01). (3) FAの収縮期最大血流速度, 一回拍出量, 分時拍出量は運動によりそれぞれ, 130%, 185%, 337%増加し(p<0.05), PIは60%低下した(p<0.05).(4) 妊婦CA, UAにおける計測値は変化しなかった. (5) Umb AのPIは運動前0.95±0.04から運動後0.80±0.03に低下した(p<0.05). (6) 運動後のFHR増加は85%の症例で観察され, 運動前142.2±2.5bpmから運動後161.1±3.8bpmになった(p<0.05). (7) FHRの増加は妊婦頻脈と関連性を示し(r=0.43, p<0.05), UmbAのPIの低下とも相関した(r=-0.37, p<0.05). 以上より,エアロビクス時には下肢への血流増加を中心に, 妊婦体内の血流再分配が生じることが示された. CAやUAでの血流速度に変化はないが, Umb AのPIはFHRの頻脈化に伴って低下した. このPIとFHRとの関係は非運動時に観察されたものと同様であり, UAの成績からも示唆されるように, 69%最大心拍数程度の妊婦運動では子宮, 胎盤の血行は維待され, 運動中の胎児の安全性が損なわれるものではないと考えられた.

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