解題/抄録
- 享保撰要類集の解題/抄録
- 「享保撰要類集」は年号を付した最初の撰要類集であり、享保元年(1716)より宝暦3年(1753)までの法令先例集である。42冊(現在94冊に分冊)。
町奉行大岡忠相は執務上の便宜のため、市政上重要な法令および後世参考となると思われるものの分類、編集を命じた。忠相のときに完成したのは単に「撰要類集」と呼ばれ、現在国立公文書館内閣文庫および大岡家に伝わるものである(昭和42年より46年にかけ3冊にわけて刊行をみた。辻達也校訂『撰要類集』続群書類従刊行会刊、当館請求記号:322.15-Se188)。
享保20年(1735)大岡忠相の寺社奉行転出後も、町奉行所では引続きその業務を継続した。宝暦3年(1753)3月までの分を書き加えたのが、この「享保撰要類集」である。諸法令の立法過程を含めて編纂しているのが大きな特色で、たんなる法令集とは大きく異なるところであり、本館所蔵が唯一の伝本である。なお「享保撰要類集」は昭和19年に石井良助編『近世法制史料叢書』別篇(当館請求記号:749-93)として、第1冊(第1~3巻所収)が出版されている。影印本としては4冊(御祝儀之部まで。第1冊から第46冊まで)が昭和60年より翌年にかけて野上出版より刊行をみた(『享保撰要類集』第1巻~第3巻、当館請求記号:AZ-145-83。第4巻は当館未所蔵)。細目は『撰要類集細目』第1(「旧幕府引継書目録」9。国立国会図書館参考書誌部、昭和42年。当館請求記号:322.15-Ko548s2)がある。(南和男)
目次・巻号
享保撰要類集の書誌情報
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https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2572783/1